コンタクトレンズと目の障害

コンタクトレンズと目の障害

コンタクトレンズと目の障害 Q&A

「メガネはかけたくないけど、コンタクトレンズならいい!」という中学・高校生は少なくありません。見栄えのこともあるのでしょうが、スポーツをする場合、コンタクトレンズが欠かせない場合もあります。特に、サッカーやバスケットボールなど他者との接触性の高いスポーツでは装用者が多いように見受けられます。 実際、日本眼科医会が平成30年に行った全国的なコンタクトレンズ使用状況調査でも、コンタクトレンズを使用する理由として「スポーツ」が中学・高校生で約55~70%と最も多く、次に「メガネがいや」の約45~50%でした。
では、コンタクトレンズを使用するにあたって、中学・高校生の皆さん(最近は小学生のユーザーも増えています)は、決められた方法を守って安全に使用しているでしょうか。そして定期的に眼科を受診して診察を受けているでしょうか。
また、20~40歳代の方々は、コンタクトレンズのインターネット購入のみを繰り返し、眼科に受診することをおろそかにされていませんか。

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コンタクトレンズを安全に使用するためには?

①コンタクトレンズは手を洗ってから触れること。
コンタクトレンズに触れる前に、必ず石鹸で手を洗い、清潔なタオルや紙タオルで手をふきましょう。よごれた手でコンタクトレンズを扱うと、病原菌がコンタクトレンズだけでなくレンズケースにまで付着して感染症を起こすリスクが高まります。

②コンタクトレンズをつけたまま朝まで眠らないこと。
一部の連続装用が可能なコンタクトレンズをのぞいて、自宅に帰ったらコンタクトレンズを目からはずす習慣を持ちましょう。そのまま眠ってしまうと、結膜や角膜の障害が起きるリスクが生じます。またできれば長時間のコンタクトレンズ使用も避けた方がよいでしょう。

③コンタクトレンズを水道水で保管しない。レンズケースは使用後に乾燥させ、定期的に交換を。
水道水には、アカントアメーバという病原体やその他の微生物が潜んでいることがあります。水道水で保管したり、コンタクトレンズをつけたまま水泳したりすると、これらによる感染症を引き起こし、重度の視力低下を引き起こす可能性があります。
1日で使い捨てのコンタクトレンズでも、つけたままでの水泳や入浴は避けてください。
2週間や1か月の使い捨てコンタクトレンズでは、きれいな手で消毒液を使ってこすり洗いをすることはもちろん、使用後のレンズケースは病原菌の居場所を無くすためにも毎回洗浄し、乾燥させておきましょう。レンズケースが不潔なままでは、レンズケースに潜む病原菌がコンタクトレンズに付着します。
また、レンズケースをしっかり洗浄乾燥していても、次第によごれていきます。定期的に交換するよう心掛けてください。

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眼科で定期的に目を診てもらう理由は?

①コンタクトレンズによる角膜障害の有無をチェック!
コンタクトレンズを誤った方法で使用していた場合に限らず、コンタクトレンズを適切に使用していた場合でも、何らかの原因で角膜に障害を起こすことがあります。
その多くは、角膜表面のざらつき(表層性角膜炎など)で、コンタクトレンズの装用中止と点眼加療などでおさまります。しかしなかには、病原菌による角膜潰瘍(かくまくかいよう)を起こし、視力障害が残ることもあります。
またコンタクトレンズを長期にわたって使用し続けていると角膜の酸素不足によって、角膜の外側から血管が侵入してくることもありえます。

②コンタクトレンズアレルギーや結膜障害の有無をチェック!
メヤニや、涙の中の蛋白質が、こすり洗いが不十分な場合などで、コンタクトレンズに付着してアレルギーのもとになったり、コンタクトレンズとまぶたの裏の結膜が摩擦で刺激されたりすることによって、特にコンタクトレンズと接触しやすい「上まぶたの内側にある結膜」にアレルギー反応が生じ、結膜にボコボコとした隆起がみられることがあります。これは「コンタクトレンズ関連乳頭性結膜炎」と呼ばれ、コンタクトレンズ装用が引き金となるアレルギーとされています。
この場合、症状として、充血やメヤニ、ゴロゴロとした異物感や、まばたきのたびにコンタクトレンズが上に持ち上がる感覚を覚える方もいます。市販の目薬ではなおりにくいことがほとんど。コンタクトレンズの手入れがいい加減な場合や、自分の目とコンタクトレンズの素材が合わず摩擦が結膜を障害する例が目立つため、眼科を受診して適切なアドバイスと治療を受けましょう。

③コンタクトレンズのベースカーブをチェック!
ベースカーブとは、mm単位で表示されます。これはコンタクトレンズの内側の湾曲度合いを数値化したものと定義されます。ソフトコンタクトレンズの場合、そのやわらかさから角膜にフィットしやすいために、ベースカーブは一つの製品につき2種類程度しかありません。 しかし、メーカーや製品ごとにコンタクトレンズのサイズや素材に違いがあるため、たとえ同じベースカーブでも、目との相性は異なります。ベースカーブの確認のためにも定期的な眼科受診を。

④コンタクトレンズの度数をチェック!
中学生・高校生は、近視の度が進むことが多いため、コンタクトレンズの度数が次第に合わなくなる場合が少なくありません。また乱視が生じるほか、乱視の度数が変化することもあります。そのために、必ず定期的に眼科を受診して、使用中のコンタクトレンズが今の自分にとって適切かどうか確認してもらう必要が生じます。
また、年齢により多焦点のコンタクトレンズ(遠近両用コンタクトレンズ)を使われる方もライフスタイルの変化も相まって増えてきました。もちろん、その度数も年齢とともに変化していく可能性があります。眼科にて、自分にあったコンタクトレンズを処方してもらうことが大切です。
コンタクトレンズは目に直接つけるものです。インターネット購入をくりかえすのみで長期間にわたって眼科を受診しない場合、装用方法や手入れ、保管方法に間違いがある場合、そして最後には様々な症状が繰り返し起きてどうしようもなくなってきた場合、様々な目の病気を起こしている可能性があります。

コンタクトレンズを使うならば、定期的に眼科を受診して、目の健康をチェックしてもらいましょう。

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